建物の欠陥による事故とリスク|賃貸管理レポート
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アパート階段崩落事故
今年4月に発生したアパートの外階段崩落事故より、当該同一施工会社による物件の点検のご依頼を受けてオリバーの一級建築士を中心に建物点検を行い、問題点の洗い出しと改修工事提案を策定しました。
建物の欠陥による事故のリスク
建物の欠陥が原因で入居者様が怪我を負った場合、民事上の責任でオーナー様は被害者から損害賠償を請求される可能性があります(民法717条)。工作物責任と言い、施工不良による事故でもオーナー様が無過失で責任を負う形です。賃貸借契約で事故による賠償請求をしない旨の特約を設けたとしても、居住用で借りた個人の借主の場合、特約は無効になります(消費者契約法8条)。賠償については、居室内の窓枠手すりが壊れて被害者が落下し大けがを負った事例では6,000万円以上の賠償請求がされ、被害者が死亡した事例では1億円を超えるケースもあります。オーナー様は所有物件の安全性に対し大きな責任を負っていることが分かります。
一級建築士が見た欠陥とリスク
建物を調査した結果、程度の差はありますが施工不良が見られました。特に大事故に繋がる可能性がある瑕疵として、防水処理の不足と外階段の固定方法が挙げられます。壁・床の取り合いや接合部の防水処理が適切にされておらず、雨水が内部にまわり木部が腐食しやすい構造になっており、外階段等で脱落の危険が高い物件がありました。
こうしたリスクは施工不良以外にもメンテナンス不足で発生します。建物は経年劣化するもので、定期点検や大規模修繕を先送りすることは将来発生するリスクを大きくします。安全に貸し出せる様点検や修繕にコストをかけることが、結果的にコストと時間を節約し資産防衛に繋がります。オリバーは常に管理員の定期巡回等でオーナー様のリスクヘッジと健全な運営のサポーターとしてお手伝いさせていただきます。お気軽にご相談ください。
一級建築士 高貝英雄