相続の準備は元気なうちに|相続トラブル回避シリーズ
<目次>
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遺言書を作成する理由
ご自身が亡くなったあと、ご家族のもめごとのもとになる遺産分割協議を回避するためです。 しかし、お亡くなりになって遺言書があっても、無効になる場合があります。
・遺言書作成時の遺言能力
「父さんはもう遺言能力がなかったはずだ」
遺言能力とは、遺言内容を理解し遺言の結果を認識できるだけの判断能力のことを言います。遺言能力がない状態で書かれた自筆証書遺言書は無効です。
・形式要件の不備
「この遺言書はいつ書かれたか分からない」
自筆証書遺言の場合、全文自筆で書かれていない(財産目録を除く)、日付が特定できない・押印が抜けているなどの様式性の欠如など形式的要件を欠いていると無効になります。
・遺言書の代筆や改ざん
「本当に父さんが書いた遺言書なのか」
代筆による自筆証書遺言は無効です。また改ざんされた場合、改ざんの程度によっては全て無効と判断されることがあります。
遺言書で争わせない
公正証書遺言は、形式上の不備や偽造が疑われる恐れがありません。自筆証書遺言に比べてはるかに信用性は高まります。また、遺言書を作成した後に、遺言書作成時に遺言能力がなかったと言われないようにするために、遺言書を作成する前に主治医の診断を受けると良いでしょう。更に遺言者自身が日常生活状況を日記に書き留めるなど、遺言作成時に遺言者に遺言能力がしっかりあることを立証するための客観的な資料を残しておくことが大切です。
判断能力が衰えている方が遺言書を作成する際は、特に細心の注意を払わなければ、上記のように遺言書が無効となったり、トラブルになったりすることがあります。相続の準備は元気なうちに始めるのが良いと言われる所以です。