相続争い発生!「遺産分割調停手続き」について|相続
<目次>
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.遺産分割について
- 3.遺産分割調停手続きとは
- 4.合意できない状態を放置しない
- 5.おわりに
はじめに
皆さん、こんにちは!
オリバー 相続コンサルタントの名児耶です。
遺言書を書かずにお亡くなりになった場合、相続人の家族仲が悪く、相続人間でうまく遺産分割協議ができないと、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをする必要があります。
今回は、遺産分割調停の申し立てについてお話しさせていただきます。
遺産分割について
例えば父親(被相続人)が亡くなり、母親、長男、長女がいた場合、遺言書がない限り、相続人である母親、長男、長女で遺産分割をしなければなりません。
この場合、相続人全員の家族仲が良く遺産分割においても争いがない場合、相続人全員で遺産分割協議をして合意をした内容で遺産分割協議書を作成すればいいこととなります。
しかし、家族仲が悪く相続人間で遺産分割協議ができない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをする必要があります。
遺産分割調停手続きとは
遺産分割調停手続とは、家庭裁判所において、家庭裁判所の調停委員を交えて遺産分割の話し合いをする手続きです。裁判と異なり判決などを下すことはありません。
協議のうえ相続人全員の合意に至れば調停成立となり、合意に至らなければ遺産分割調停手続きは不調となり、遺産分割審判に移行することとなります。遺産分割調停手続の管轄裁判所は、相手方の住所地管轄の家庭裁判所か相続人全員で合意した家庭裁判所となります。
遺産分割調停手続きでは、相続人全員から相続人の範囲の確定(誰が相続人か)、相続財産の確認(遺産として預金、不動産などどのような遺産があるか)、相続財産の評価(不動産の時価の評価をどうするか)、遺産分割の方法(遺産分割の方法として、誰がどの遺産を現物で取得するのか、誰が誰に代償分割で金銭で支払いをするかなど)を調停手続きのなかで争点整理して協議を進めていきます。
遺産分割調停手続の調停委員は家庭裁判所から委嘱を受けた弁護士、司法書士、税理士等の有識者が調停委員として選任され、相続人間の遺産分割協議の調停合意に至るように相続人間の争点整理や合意に向けた助言などをしていただくこととなります。
調停委員は毎回同席されますが、家庭裁判所の裁判官は毎回手続きに参加するとは限らず、法的論点や和解案などの検討を要する場合に調停委員が裁判官と協議・検討をして手続きを進めていきます。申立人側と相手方側から交互に話しを聞くこととなり、相手方と家庭裁判所で同席する必要は通常ありません。期日は、1〜2か月に1回程度の間隔で開催され、遺産分割調停手続にかかる期間としては事案にもよりますが、1年前後の期間を要する事案が多いようです。
相続人本人で遺産分割調停手続をすることもできますが、遺産総額が相当程度ある場合や、遺産分割の分割方法等をめぐって相続人間で対立が激しい場合、相手方が代理人に弁護士を立ててきている場合などでは、専門家である弁護士を代理人に選任して対応した方がいいでしょう。
合意できない状態を放置しない
2022年の司法統計年報(家事編)を見ると、調停の申し立て総件数は年間16,000件を超えています。
相続の争いは、言ってみれば家族間・親族間の争いで、すぐに裁判所に駆け込む方はそれほど多くはありません。家族間の揉め事は家族間で解決したい、と思う方が大半ですから、この件数は氷山の一角です。
遺産分割が実現せずに未分割のまま時間が経過してしまうと、結局相続人は誰も被相続人の遺産を取得できないという状態が続いてしまいます。
相続人間で遺産分割協議により合意ができない場合も、その状態を放置せずに出来るだけ早急に家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを検討したほうがいいでしょう。
おわりに
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