雨漏れ原因とTACSS工事の事例|賃貸管理
<目次>
目次[非表示]
- 1.初めに
- 2.雨漏れ原因と特定の方法
- 3.鉄筋コンクリート造の雨漏れを止めた事例
- 4.予防保全の近道とは
初めに
1時間の降水量が80㎜を超える猛烈な雨の年間発生回数は約24回と40年前と比べ約1.7倍に増加し、その影響として雨漏れの増加が挙げられます。今回は鉄筋コンクリート造建物の亀裂の止水工事例をご紹介します。
雨漏れ原因と特定の方法
雨漏れは、屋根・屋上や外壁の劣化・破損、ベランダやサッシなど外壁と他の建材との接合部や開口部の劣化・破損などで発生します。これら原因を特定するため、まず目視調査を行います。目視で不具合を発見できない場合、特定の箇所に水をかけて雨漏りを再現する散水調査や、壁面の温度変化をカメラで測定し温度の低い水の侵入経路を発見するサーモグラフィー調査があります。雨漏れの調査は専門家でも難易度が高く、憶測で工事を始めることはコスト面で大きなリスクとなります。
鉄筋コンクリート造の雨漏れを止めた事例
雨漏れの原因が特定できれば適切な工事を選択できます。
地下設備室のコンクリート壁に亀裂と雨漏れを発見しました。散水調査を行い漏水を確認。雨水の侵入箇所が地中であることが分かったため、建物の内側から処理でき、コンクリート壁の亀裂・漏水に効果的なTACSS工法を選択しました。①漏水経路に水を満たした状態で漏水した亀裂にピンを打ち込み②特殊な樹脂をピンから注入します。③樹脂は水に反応して膨張し亀裂に浸透して塞ぎます。ピンを撤去して穴を埋めれば完了です。コンクリート壁で散水調査ができれば高確率で止水できる工法です。
予防保全の近道とは
居室に現れない雨漏れは発見が遅れる可能性があります。雨漏れの放置は、丈夫な鉄筋コンクリート造でも鉄筋の膨張による爆裂など深刻な被害をもたらします。長期修繕計画に基づく定期改修工事が予防保全のなによりの近道ですが、最低限定期点検で外装の不具合を早期発見する必要があります。