共同住宅では消火器の法定点検期限にご注意を|賃貸管理
<目次>
目次[非表示]
- 1.初めに
- 2.消火器の法定点検
- 3.アパートの共用部で火災が発生したケース
- 4.保険金が下りない原因とは
- 5.法定点検の実施状況のご確認を
初めに
消防用設備点検の対象は避難器具や誘導灯など多岐に及びますが、今回は身近な消火器に絞って点検の概要をご紹介します。消防法で消火器の定期点検・報告が義務付けられているアパート・マンションのオーナー様が負うリスクはどのようなものがあるでしょうか。
消火器の法定点検
消火器は、延べ床面積150㎡以上のアパート・マンションで、点検は6か月毎、所轄消防署へ1年または3年毎に報告が義務付けられ、製造から経過した年数によっては消火器を分解する内部点検や圧力検査が義務付けられます。内部点検は、交換したほうがコストを抑えられるケースもあり試算が必要です。建物の規模によっては有資格者による点検が求められます。法定点検は専門知識や工具が必要になり、入居者に協力を仰ぐ必要もあることから、管理会社に依頼する形が一般的です。
アパートの共用部で火災が発生したケース
共用廊下に設置してある消火器で入居者が消火を試みましたが、共用施設の一部が焼失しました。オーナー様は、火災保険の保険金で焼失した共用施設を修繕するつもりでしたが、保険金が下りませんでした。
保険金が下りない原因とは
共用部に設置している消火器が未点検で期限切れだった場合です。消火器の法定点検を行っていないと法令違反として保険が下りない可能性があり、罰則も設けられています。
- 2010年以前に製造された旧規格の消火器は、現在法令上有効な消火器と認められず、いわば未設置と同じ状態となります。
この例では、共用施設の焼失に留まりましたが、入居者の生命にかかわることであり、点検義務を軽視することは大きなリスクを伴います。
法定点検の実施状況のご確認を
法定点検には費用が掛かりますが、戸建てと違い共同住宅では火災が発生した際の大きなリスクを回避する対応です。まずは消防用設備の法定点検について管理会社に依頼しているか、ぜひご確認ください。