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分譲マンションの相続評価方法が改正されました|相続

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目次[非表示]

  1. 1.はじめに
  2. 2. (1) 不動産の概要
  3. 3.(2) 評価方法について
  4. 4.(3) 実際の計算
  5. 5.(4) 結果を受けて
  6. 6.おわりに

はじめに

令和6年1月から相続や贈与における居住用分譲マンションの評価方法が変わりました。
これまで、分譲マンションの相続税評価は流通時価の3割~4割程度になることが多かったところ、令和6年以降は最低でも市場価格理論値の6割の評価になります。
これがいわゆる「タワマン節税封じ」です。

ところが、実際には評価額ゼロという事例も出てきています。
なぜそのような評価になったのか解説します。


【令和5年までの分譲マンション評価方法】

① 建物(区分所有権) 固定資産税評価額
② 土地(敷地利用権) 路線価×敷地全体の面積×敷地の共有持分(敷地権割合)


①+②が相続評価額となります。

【令和6年からの分譲マンション評価方法】

令和5年までの相続評価額×区分所有補正率 となり、

区分所有補正率は 
①評価乖離率 ②評価水準 ③区分所有補正率 の順に計算をします。

参照(国税庁 「居住用の区分所有財産の評価について(情報)」)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023011-040_01.pdf

では、令和6年以降に評価額ゼロになるケースを具体的に見ていきます。

 (1) 不動産の概要

・築年数:昭和50年7月
・総階数:5階建
・所在階:2階
・専有面積:69.29㎡
・敷地権割合:12960分の72
・敷地面積:20638.60㎡

(2) 評価方法について

評価乖離率は次の算式により求めた値になります。


◆評価乖離率=A+B+C+D+3.220 

A=当該一棟の区分所有建物の築年数×△0.033
B=当該一棟の区分所有建物の総階数指数×0.239(小数点以下第4位を切り捨てる。)
C=当該一室の区分所有権等に係る専有部分の所在階×0.018
D=当該一室の区分所有権等に係る敷地持分狭小度×△1.195(小数点以下第4位を切り上げる。)


※1 「築年数」は、当該一棟の区分所有建物の建築の時から課税時期までの期間とし、当該期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年とする。
※2 「総階数指数」は、当該一棟の区分所有建物の総階数を33で除した値(小数点以下第4位を切り捨て、1を超える場合は1とする。)とする。この場合において、総階数には地階を含まない。
※3 当該一室の区分所有権等に係る専有部分が当該一棟の区分所有建物の複数階にまたがる場合には、階数が低い方の階を「当該一室の区分所有権等に係る専有部分の所在階」とする。
※4 当該一室の区分所有権等に係る専有部分が地階である場合には、「当該一室の区分所有権等に係る専有部分の所在階」は、零階とし、Cの値は零とする。
※5 「当該一室の区分所有権等に係る敷地持分狭小度」は、当該一室の区分所有権等に係る敷地利用権の面積を当該一室の区分所有権等に係る専有部分の面積で除した値(小数点第4位を切り上げる。)とする。


◆評価水準

1を評価乖離率で除した値です。

(3) 実際の計算

A)48年×△0.033=△1.584
B)5階÷33=0.1515… → 0.1515×0.239=0.0362... → 0.036
C)2階×0.018=0.036
D)敷地持分狭小度=(敷地面積20638.60㎡×敷地権割合12960分の72)÷専有面積69.29㎡=1.6548… → 1.6549
Dの値=1.6549×△1.195=△1.9776... → △1.978

 
◆評価乖離率

△1.584+0.036+0.036+△1.978+3.220=△0.27

◆評価水準

1÷△0.27=△3.704


◆土地及び家屋の相続税評価額の算定

自用地としての価額、もしくは自用家屋としての価額に以下の区分所有補正率を乗じて求めます。

1.評価水準が1を超える場合  区分所有補正率=評価乖離率
2.評価水準が0.6未満の場合  区分所有補正率=評価乖離率×0.6


国税庁の評価通達の中に、「ただし、評価乖離率が零又は負数のものについては、評価しない。」とあります。
従って、今回は評価乖離率が負数(△0.27)になる為、評価はゼロとなります。

もともと、「タワマン節税」を封じる狙いは

・築年数が新しい
・総階数が高い
・所在階数が高い
・敷地権割合が小さい

ものについて、評価額を上げることと言われています。
つまり、今回の事例はこの対極にあった為、評価がゼロという結果になりました。

(4) 結果を受けて

相続税評価額がゼロとは言え、国税庁の伝家の宝刀と言われる「評価通達6項」を適用される可能性は否定できません。

おわりに

今回のケースは稀かもしれませんが、分譲マンションの評価額を算出するには複雑な計算が必要であり、分譲マンションを相続・生前贈与する際には税理士などの専門家への相談を検討しましょう。

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